文明の十字路 トルコ紀行

トゥズ湖

 アヴァノス村からネブシェヒルを経由してアクサライに戻り、アクサライから右に折れて一路、アンカラに向かった。

 道は緩やかな起伏のある一直線の道であった。まばらに潅木が茂る岩山が時々見えるだけで荒野の中を走り続けた。

 車窓の景色が変わり、遠くにトルコ第二の湖、トゥズ湖が見え始めた。この湖は琵琶湖の二~三倍も有る大きな湖であるがトゥズとはトルコ語で塩を意味し「塩の湖」と呼ばれる塩湖である。

 アナトリア東部に有るトルコ最大のヴァン湖(ヴァン湖の湖面の高さは一六四六メートル、琵琶湖の五・五倍。)も塩湖である。太古の昔、アナトリアの大地は海底にあり、隆起して千数百メートルの高原になった事を物語っている。

 トゥズ湖はほとんど干上がっており深さは50~60センチほどしか無く、年々干上がり湖水の面積は減少を続けているとの事。夏になると湖の大半は干上がり塩の白い大地が広がるそうである。

 湖の塩分濃度は30%、死海に匹敵する濃度で周辺には塩田が広がり、塩の産出量はトルコ全土で産出される塩の55パーセントを占めているそうである。

 そして湖には鮮やかな紅色をした数千羽のフラミンゴが群れていた。


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