文明の十字路 トルコ紀行
トロイ遺跡
トロイ遺跡があるヒッサルリクの丘はエーゲ海から僅か9キロほど内陸に入った場所であった。入場券を自動改札に差し込んで(これが中々読み取ってくれない)園内に入るとトロイのシンボルである再現された巨大な木馬が展示されていた。
しばし木馬を眺め、ガイドに促されて遺跡に向かった。石垣(これも古い遺跡)に沿って進むと見晴らしの良い場所に出た。下を眺めると一望千里の畑であった。
トロイの遺跡は丘の上に有り、眼下の広大な平地がトロイ戦争の戦場となったのであろうか。左手の丘の先端にも石垣の遺構が有り、トロイ戦争の頃はここに望楼が有ったのであろうか。
坂を下ると右手に谷に向かってかなり広い石畳の路が続いていた。谷の両側は石垣が築かれている。この路を下った先に城門が有ったのであろうか。
トロイ戦争ではこの丘の上で篭城したが水はどうしていたのであろうと思いガイドのベルマさんに訪ねると「井戸の跡が何箇所か有ります。井戸は地下80メートル掘り下げて作ったと考えられています。」との事。
井戸の遺構に案内され中を覗いて見たが真っ暗で相当深いことだけは確かである。そして何層にも重なった遺跡が見られる場所に案内された。住居跡と考えられる場所にも案内されたそこは谷の斜面にかなり広い横穴を掘った跡であった。
一巡して再び平坦な丘の上に戻ると折れた石柱や基壇に使われた石があちこちに転がっていた。トロイ遺跡には復元した構造物も無く、ベルマさんから此処は第何層、此処は第何層と説明を受けたが門外漢の小生にはただの土の層にしか見えなかった。
トロイの遺跡は一九九八年世界遺産に登録されたがシュリーマンによって破壊されたのかただ石組みが残っているに過ぎなく考古学の専門家でないとよく解らない遺跡であった。