文明の十字路 トルコ紀行

チョプシシ

 エフェソスの遺跡観光を終えレストランに入って昼食となった。昼食はチョプシシ、トルコ風焼肉との事であった。例によってビールを注文しパンをつまみに飲んでいたがいっこうに料理が出てこなかった。再びパンのお替りを頼んで待つ事30分、店の外を見ると一人の男性が炭火で串に刺した肉を丹念に焼いていた。

 数十本焼き上がると厨房に走り、再び串に刺した肉を焼きに向かった。一人前10数本、一回に焼き上がるのは50~60本であろうか、店内のテーブルを見渡すとツアー客およそ七十人が待っている。これではなかなか料理が出てこないのも道理と思いパンをつまみにビールを飲んだ。

 出された串焼きの肉は牛肉、羊肉、猪肉との事であったがスパイスがきいているせいか区別はつかなかったがどの肉も美味しかった。

 そういえば、エフェソスの遺跡観光を終えバスに乗り込む時、小袋に入ったスパイス十袋を一連にしたスパイスの売り子に付きまとわれた。

 最初は三連千円と叫んでいたが、見るとサフラン、クミン、シナモン、ターメリック等々色々なスパイスが一連の小袋の中に入っていた。

 スパイスには興味も有り、サフラン一袋でも千円以上の価値が有ると思ったが、いらない振りをするとどんどん値下げし、バスが発車寸前になるとなんと十連千円になった。米ドルで払うと告げると九ドルであった。

 そして、トルコの料理にはイタリアンパセリがよく添え物として出てきた。イタリアンパセリは我が家でも栽培しておりパスタにしか使用したことが無く、使い方が良く解らなかったが非常に参考になった。

 トルコは果物が豊富なのかレストランで食事をするとデザートの果物はどの店もセルフサービスになっており、何種類もの果物がカウンターの大きな篭に盛られていた。

 篭には必ずと云って良いほどりんごが盛られていた。トルコのりんごは日本のりんごに比べて手の中に入るほど小さく、少々、酸味が有り、一昔前に食べたりんごの食感であった。

 美味しいのでついついホテルで食べようと思ってりんごを2~3個頂戴したが、結局、ホテルでは食べずにスーツケースに入れ、翌日も又、りんごを2~3個頂戴した。

 こうして昼食に入ったレストランで頂戴したりんごが貯まり、帰国してスーツケースを開けるとりんごが7~8個も入っていた。


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