熊野古道 中辺路
日本の三大古道(東北の奥の細道、中山道、熊野古道。)の一つとして知られている熊野古道は京から熊野本宮に至る古代の街道の総称である。
熊野に詣でる古道は幾つか有り、京から淀川を船で下り淀川河口の摂津国渡辺津(現在の天満橋から天神橋の間)から一路南下し和泉国を経て紀伊田辺に向かう紀伊路。高野山から紀伊山地の薄峠、水ヶ峰、伯母子峠、三浦峠、果無峠と千メートル級の峠を越えて本宮に至る小辺路。それに吉野から二千メートル級の大峯山脈の稜線を走破して熊野本宮に至る修験道で名高い「奥駈け」と呼ばれる大峯道。伊勢神宮の参拝を済ませて、伊勢から熊野に詣でる伊勢路も熊野古道の一つである。
紀伊路は紀伊田辺から山道を辿る中辺路と海岸線を辿る大辺路の二筋に分かれる。中辺路は富田川を遡って滝尻に至り、滝尻から山中に分け入り、近露を経て本宮に至る。
大辺路は紀伊田辺から海岸線を辿って紀伊半島南端の串本を経て新宮に至り、熊野速玉大社に参拝して勝浦に戻り熊野那智大社に詣でて、大雲取、小雲取の険路を越えて本宮に至る。
「蟻の熊野詣で」と称されるほど列を成して詣でた熊野古道の一つ、中辺路を歩いた時の紀行文です。
2000年5月14日~16日